中国から直接納品を希望するお客様へ-海外からの送り状&インボイス破棄について
弊社はOEM(委託者のブランドで製品を生産)の案件が多いです。
ブランドやロゴを有しているお客様からの直接案件も多いですが、イベントや広告の代理店様やデザイン会社様等、ブランド保有者様から委託されて商品企画を行っている会社様からの案件も多いです。
というか、殆どが後者です。
(よって、NDAの関係があるので商品実績としてご紹介は出来ない事が多いです。)
以前、中国からやり取りしていた時は、海外取引に慣れているお客様ばかりだったので、わざわざ説明する必要がなかった事項でも、日本に拠点を置いて新規のお客様とのやり取りが多くなってきた最近は、事前に説明しておく必要があると感じる事項がポロポロあります。
そのうちの1点、
海外からの荷物を直接指定のお客様に送付する際に送り状の送り主を勝手に変える事は出来ない。
という事について、説明しておきたいと思います。
目次
海外からの送付者(シッパー)は輸出者です。
日本国内間で商品を送付する場合は、送付者を任意に記入する事が出来ます。
しかし、海外からの送付する場合は、勝手に書き換える事は出来ません。
なぜなら、送付者は輸出者となり、その貨物の責任を負うからです。
海外からの送付の場合は、送り状以外にINVOICE(インボイス)を用意する必要があります。
生産国から出荷時の通関手続き、輸入国での輸入通関手続きにこのインボイスが必要ですが、そこに記載されている送付者は送り状に記載されている送付者と同じである必要があります。
よって、日本国内のように安易に記載を変更する事は出来ません。
ただし、輸入者と配達先は別に指定する事は可能です。
ちなみに、下が弊社がよく利用しているスコアジャパンさんの送り状です。
輸出者、輸入者、配達先の3箇所の住所を書く欄があります。
送り状の記入方法例は以下になります。
それでも送付依頼者を変更したい場合はどうしたら良いか?
つまり、中国から直接出荷した荷物を配達先のお客様に中国から届いたと分からないように、自社の情報だけを載せたい場合はどうすればいいか、方法は2つあると思います。
1.一旦日本で受け取って、日本国内の送り状を貼り直して再送する。
2.通関完了後、クーリエ会社(物流会社)に送り状とインボイスの破棄を依頼する。
1は、お客様も一度荷物の状況を確認できますので、時間があるならばこちらをお勧めします。ただし、この場合は直送出来ないので、配送時間が1~2日、余分に必要になります。
2は、配送時間は短縮されますが、破棄の手数料がかかりますし、国内転送の送り状を再作成するわけではないので、備考欄にしか情報を記載する事ができません。
例えば、スコアジャパンさんの国内委託業者は佐川急便さんか福山運送さんなのですが、ご依頼主の箇所はスコアジャパン社の情報が固定に載っているので、備考欄にしか記載は出来ません。
先日、久々に超タイトな納期の案件を受けました。
元々すごく厳しいスケジュールな上、途中で中国政府の環境の取締強化の影響で印刷工場が数日稼働出来ない事態も重なり、本当に時間ギリギリだったところに、納品間際になって
『送付先箇所は○○会社からと記載して下さい。』
と、サラッとメッセージが来た時は、持ってた携帯を落としそうになりました。
その時の案件は、時間がギリギリだったので、2の『送り状&インボイス破棄+備考欄に依頼会社の名前を記載』で対応しましたが、本来ならば、1の方が良かったと思います。
あまりタイトな納期にチャレンジするのは危険だな、と思った案件でした。
参考にして下さい。
何かご質問などあれば、お気軽にお問い合わせ下さい。