印刷色の色指定をPANTONEで指定する理由
商品作成する際に、避けて通れないのが色指定です。
お客様から「ビビッドなグリーン」とか「マットなオレンジ」とかの形容詞付の表現で伝えられる事がありますが、これが非常に困ります。というのも、これは個人的な感覚が入っているからです。日本人同士ですと何となく伝えたい事は分かりますが、弊社は海外で制作している事が多いですので、この形容詞を外国人に伝えるのはとても難しいのです。
私が中国で異業種から起業してもお仕事が頂けたのは、この「細かいニュアンスの違いを日本人なら分かってもらえるから」、とお客様に言われたことがありました。しかし、日本人同士でも色の感覚をつかむのは難しいです。例えば、青と言っても暗い青~明るい青等、色んな色があるわけで的確に理解するなんて到底無理です。
目次
PANTONEとは
そこでPANTONEです。
そもそもPANTONEとはアメリカの1企業の名前です。その会社が販売しているパントンマッチングシステム(PANTONE MATCHING SYSTEM)という色見本帳が「PANTONE」と呼ばれています。 世界各国で標準的な色見本帳として使われている事が多いです。
PANTONEの色番号を伝えると、大体どの国でもほぼ伝わります。
ただ、PENTONEは種類が多い上、更新される事も多いです。この2冊セットのものが一般的で、中国だと大体どこの印刷工場でも持っています。
我が国 DIC社(旧 大日本インキ化学工業)が出している「DIC」という見本帳もありますが、こちらは海外で持っている会社が少ないので、どうしてもDIC で色指定したい場合は、弊社の場合はその都度色見本を工場に送付しています(DICは切り取り式があります)。DICの色は、日本ならではの色も多い印象です。
RGBとHTMLカラーコード
デバイス(PC等)上でデザインをされる方が多いので、色指定をRGBやHTMLコードで指定してくださる方がいます。ただ、こちらは光の三原色の赤(R)、緑(G)、B(青)を基準にした色指定なので、印刷物には不向きです。
ちなみに、光の三原色って何?って思う方はググって頂ければ良いと思いますが、光の三原色は100%になると白になります。色の三原色(赤黄青)を100%にすると黒になるのと大きく違います。
CMYKの色指定ではダメなの?
印刷物の色指定はCMYKで指定するのが一般的です。これは色の三原色に黒を加えた言い方です(KはBlackのK)。ただ、CMYKだけで表現できない色(例:ゴールド等)がありますし、そもそも表示デバイスとプリンターによって同じCMYKのデータでも色が違って見えたり、プリントされたりします。
商品への印刷は色の規定が厳しいロゴ等が入る事もあり色見本帳をで指定する方がより安全です。
世界で一番広く使われているのがPANTONEの色見本帳なので、PANTONEで指定して頂いています。
PANTONEでの指定が難しい場合
お手元にPANTONE色見本が無くても、WEB上にCMYKやRGB値をPANTONEに変換できるサービスは多く存在します。そちらで変換する事も可能です。
ただ、多少見え方が違う事もありますので、色に拘りたい方は、再現したい色をプリントアウトしてもらうか、この色がいい!という印刷物があれば、弊社まで送付して頂ければ弊社にあるPANTONEの見本帳から近似色を選択してご連絡する事も可能です。
下はスタバのロゴの色をPANTONEでどの色が近いか見てみました。625Cか626Uが近いかなぁと言う感じです。海外のプリント屋さんには、この写真を送付して色指定をする事になります。
もしも何かご相談事項等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。